日立自動分析装置　LABOSPECT 003

日立自動分析装置 LABOSPECT 003

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: 製品について

【コンパクトで頼りになる自動分析装置、LABOSPECT 003の誕生。】
更なる分析信頼性の向上、検査データの質向上への貢献をめざしたLABOSPECTシリーズ、その小型シングルマルチLABOSPECT 003の小さなボディには日立自動分析装置のエッセンスが凝縮されています。いろいろな仕事を器用にこなし、日々のルーチン検査はもとより、緊急検査や特殊検査などさまざまな用途で活躍できる装置です。

特長

[サンプルディスク]
●サイズが異なる容器の架設を可能とする自在アダプタ付で、サンプルカップおよび各種採血管に対応します。
●一般検体、緊急検体、標準液、精度管理試料、ISE洗浄液等トータルで110検体架設可能で、その割付は操作部から設定します。
●検体架設時とサンプリング直前にIDを確認する「ダブルチェック方式検体ID読取機能」によりデータ信頼性の向上を実現します。

[試薬ディスク]
●専用試薬ボトルを最大42個セットできます。
●試薬の情報はボトルに貼付されたバーコードで識別されるため、ボトルのフリーセッティングが可能です。また、依頼数の多い項目については複数のボトルをセットできるなど、分析業務の効率化が図れます。
●洗剤洗浄によるキャリーオーバー回避機能で試薬プローブのクロスコンタミネーションを低減します。

[反応ディスク]
●新型光度計ユニットの開発により最小反応液量100μL(測光必要量として)での測定が可能となりました。
●メンテナンス性の良いプラスチックセルが、装置の性能維持に貢献します。
●酸性、アルカリ性洗剤によるセル洗浄が可能です。またセルブランク異常のセルを自動スキップするなどの機能により、信頼性の高いデータを提供します。

[操作部]
●装置本体と一体化することにより省スペース化を図りました。
●システムオーバービューウィンドウにて、常に装置の状態をモニタリング。その時々に必要な作業が確認できます。

機能説明

: 非接触方式攪拌
圧電素子より発生する超音波波動により、攪拌機構が反応液に触れることなく、攪拌を行います。この方式の採用により、攪拌棒によるクロスコンタミネーションをなくし、データ精度の向上を図ります。さらに、攪拌機構の洗浄水が不要になることで、水の使用量および廃液量を低減します。(純水総消費量:60%減(対日立ハイテクノロジーズ製7080形自動分析装置))

: サンプルプローブ詰まり検知機能
サンプル分注の信頼性向上のため、サンプルプローブに詰まり検知機能を搭載しました。サンプル吸引時のプローブ内圧力変化をMTS(マハラノビス・タグチシステム)法により解析し、異物混入等による吸引時の異常を自動検出します。(特許出願中)

: LABOSPECT専用試薬
LABOSPECT 003では、その分析精度の維持のため、専用試薬のご使用を推奨いたします。専用試薬は複数の提携試薬メーカと日立ハイテクノロジーズとの相互協力により開発し、装置への適合性が確認された試薬です。バーコードによりメーカ・項目・製造上の識別番号・試薬タイプ・容器サイズなどを管理します。専用試薬をご使用いただくことにより、分析パラメータのマニュアル入力の手間を軽減するとともに、機器・試薬の総合サポートを可能とします。

: 新型試薬ボトル
LABOSPECT 003では、専用の新型ボトルを使用します。測定に第1試薬・第2試薬を組合せで管理できるボトル(コンビネーションボトル/写真左)と、試薬単位のボトル(セパレートボトル/写真右)があります。コンビネーションボトルは、従来のように、第1試薬・第2試薬を別個に架設、管理する必要がなくなり、業務の効率化に貢献します。

測定準備
・システムオーバービューウィンドウで、測定前の試薬準備情報やメンテナンス状況が確認できます。
・試薬管理画面では、試薬ごとの残量、有効期限の確認ができます。
・LABOSPECT用試薬は、ボトルへの充填作業が不要で、さらに装置へのフリーセッティングが可能です。
・試薬ボトルチェンジオーバー機能を持ち、あらかじめ待機試薬に対しても、キャリブレーションや精度管理試料測定を実施しておくことができます。
・分析パラメータは、「LABOSPECT Net」＊からダウンロードすることができます。

測定
・試料測定時の各種データチェック機能(反応限界吸光度、プロゾーン現象、反応直線性など)がデータの信頼性を維持します。
・測定結果画面では、項目単位でリアルタイムに結果表示します。
・緊急検体は、「検体追加」ボタンをクリックして架設します。測定中の一般検体の項目間に割り込むことが可能です。
・「ヘルプ」ボタンをクリックすると操作中の画面の説明やアラームの説明が表示され、便利です。

: 精度管理
・精度管理方法には、リアルタイム精度管理、日内精度管理、日差精度管理があります。リアルタイム精度管理では、2種類の管理試料を対で測定し、その結果が判定基準内かチェックします。
・「LABOSPECT Net」の「オンライン精度管理サポートサービス」もご活用いただけます。

保守管理
・一括準備動作登録機能
一連のメンテナンス項目をあらかじめプログラムしておける機能です。装置立上げ時やルーチンの終了時に、設定したプログラムを一括して実施することができます。
・メンテナンス期限管理(稼動情報管理)機能
各メンテナンス項目に対して、管理期限が設定できます。期限を超過した項目は、色別(黄色:注意レベル、赤色:期限超過)で表示されます。
・「LABOSPECT Net」が、常時装置を監視し、24時間体制でサポートを行います。

: オーバービューコンセプト

: 試薬情報管理、キャリブレーション関連機能の充実

: マスキング機能の充実

: 反応過程モニタ
装置は全ての反応過程において、測定ポイントごとに測定された吸光度を記憶しており、グラフで表示することができます。また、全反応過程における吸光度データは、ホストシステムに送信することや、印字で確認することも可能です。精度管理試料や他の検体との重ね書き機能もあり、データ異常発生時のチェックに役立ちます。

: 緊急簡易分析モード
夜間、休日の時間外検査など、短時間で正確な情報提供を行うことが求められる緊急検査業務をサポートします。グローバルメニューの救急車マークをクリックします。

: スリープモード
スリープモードとは、装置の状態を半停止状態(一部電源OFF)にし、指定した曜日の指定時刻に自動的に立ち上げる機能です。立ち上げ時の一括準備も設定できます。

オンラインサポートサービス【LABOSPECT Net】
「LABOSPECT Net」は、LABOSPECTシリーズをお使いいただくお客様に、より高品質な検査結果を提供することを目的として、お客さまの検査業務を支援するオンラインサポートシステムです。
「LABOSPCET Net」では、以下の3つのサービスをご提供します。

1.リモートサポートサービス(装置稼動状況の遠隔診断・監視、緊急停止に対する通報など)
2.分析パラメータ配信サービス
3.オンライン精度管理サポート(精度管理データの収集と統計、ネット配信)

※オンラインサポートサービス「LABOSPECT Net」は、LABOSPECTシリーズ自動分析装置本体には含まれません。
別途、日立ハイテクフィールディングとのサービス契約が必要となります。

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仕様

方式: ディスクリート方式多項目同時分析装置

処理能力: 最大320テスト/時(電解質分析装置付属時も同一。ただし、電解質のみ連続測定時最大480テスト/時)

分析登録項目数: 最大100項目(比色項目86, 電解質項目3(Na, K, Cl), 計算項目8, 血清情報3)

同時分析項目数: 最大42項目(電解質分析装置付属時は45項目)

分析法: 1ポイントエンド分析法, 2ポイントエンド分析法, 2ポイントレート分析法, レートA分析法

キャリブレーション方法: 直線法, 非直線法

演算機能: 項目間演算, データ補正, 再現性

モニター機能: 反応過程モニター, データレビュー, キャリブレーショントレース, ワーキングカーブ, ほか

精度管理機能: リアルタイム精度管理, 日内精度管理, 日差精度管理

精度管理試料: 最大100種類の試料の登録可能

再検機能: 自動再検, 手動再検

出力帳票: 分析結果(モニター形式および報告書形式), 反応過程モニター, ワークシート, キャリブレーショントレース, ほか

最大記憶データ数: 検体データ(一般・緊急・精度管理)：合計10,000検体まで, 反応過程データ(一般・緊急・精度管理)：合計10,000テストまで, 精度管理試料(日内)：最大2,500検体, 最大100項目/検体(日差)：最大100項目, 最大500ポイント/テスト項目

検体量: 1.5～35.0μL(0.1μLステップ)

検体前希釈機能: あり(前希釈実行時は処理能力低下)

試薬ショット数: 最大3ショット

試薬分注量: 5～180μL(1μLステップ)

反応液量: 100～250μL(測光必要量として)

サンプル容器: 日立標準カップ, 日立微量カップ, 採血管(φ16mm×75mm, φ16mm×100mm, φ13mm×75mm, φ13mm×100mm)

サンプル容器架設数: ターンテーブル方式最大110検体(標準液, 精度管理試料, ISE洗浄液, などを含む)

サンプルプローブ詰まり検知: あり(圧力変化検知方式《MTS(マハラノビス・タグチシステム)法使用》)

※検体分注時、プローブ内の圧力変化を検知し、異物による完全な詰まり状態となっている可能性がある場合にアラームが発生します。不完全な詰まり状態およびプローブ内径以下の異物混入については、アラームが発生しない可能性があります。また、詰まりについては、フィブリンによる詰まりとは限りません。